先に結論
- 外洋のクルーズ船で犬を預けられるのは、調べた範囲では、キュナードの「クイーン・メリー2」だけ(大西洋横断クルーズのみ)。犬は客室には入れず、船内のケンネルで過ごします
- 犬と同じ部屋に泊まれるのは、フェリー。日本国内にも「ウィズペット」と呼ばれる客室があります
- 日本発着のクルーズ船で、ペットと乗れる船は、調べた範囲では見つかりませんでした
2026年10月時点で調べた内容です。公式ページで確認できたものと、記事やブログの情報を分けて書いています。料金や条件は変わりやすいので、予約前に必ず公式で確認してください。
ほとんどのクルーズ船は「介助犬」だけ
ロイヤル・カリビアン、MSC、NCL、コスタなど、多くの大型クルーズ船は、特別な訓練を受けた介助犬だけを受け入れていると案内されています(例:NCL公式のService Animal & Pet Policy)。ペットとして犬を連れて乗ることはできません。
一部の記事に「NCLやプリンセスは犬猫可」とあるものがありますが、公式の案内と食い違うため、ここでは採用していません。
預けるタイプ:クイーン・メリー2(キュナード)
大型の外洋客船で犬を預かってくれる、ほぼ唯一の船です。ただし、客室で一緒に過ごすのではなく、船内のケンネル(犬舎)に預ける形です。
- 対象の航路:サウサンプトンまたはハンブルクとニューヨークを結ぶ大西洋横断のみ。世界一周などの航海には連れて行けません
- 対象の動物:犬と猫だけ
- ケンネル:24個(上段12・下段12)で、12デッキにあるとされます。空調があり、屋外の運動スペースが隣にあります。大きな犬は2つ続けて使います
- 面会:飼い主が会える時間は決まっています(1日に4回前後の時間帯が目安とされます。乗船時に確認)。寄港地の観光には連れて行けません
- 船側が用意するもの:ベッド、食器、おもちゃ、おやつ、犬用の救命胴衣など。獣医は乗っていません
- 書類:ペットパスポートまたは健康証明書、マイクロチップ、狂犬病などのワクチン証明が必要です(方向によって内容が違います)
予約は、先に人間のクルーズを予約して手付金を払ったあと、キュナードにケンネルを申し込む順番です。空きは少なく、キャンセル待ちになることも多いと言われます。受付は出発の2年前から1週間前までとされています。
料金は情報源によって食い違っています。上段が約800米ドル、下段が約1,000米ドルとする記事と、2026年から約1,300/1,500米ドルに上がったとする記事があります。キュナード公式の案内は確認できていないので、必ず公式で確認してください。また、この船は2027年3月末から5月上旬にかけて改装のためドック入りの予定です(Wikipediaの記載)。
参考:Cruise Critic(QM2のケンネル)、Cruise Radio(QM2のペット規定)、ヒトデクルーズ(日本発着のペット対応)
同じ部屋に泊まれるタイプ:フェリー
犬と同じ部屋で過ごすなら、いまのところフェリーが現実的です。クルーズ船より小さな旅ですが、「船で犬と一晩過ごす」体験はできます。
日本国内:複数の航路に、犬と泊まれる「ウィズペット」の客室があります。
- 商船三井さんふらわあ(大洗〜苫小牧、大阪〜別府・志布志、神戸〜大分など):公式ページによると、犬は乗船時に1年以内の狂犬病ワクチンの接種証明が必要です。ウィズペットルームは客室の運賃とは別料金で、大洗〜苫小牧の例では、1部屋19,800〜25,300円(時期と部屋で異なる)。船尾にドッグランがあり、利用は無料です。客室の外では、キャリーやカートに入れて移動します。満室のときは、ケージに預けるペットルームを使います(公式:ペットとのご乗船)
- 新日本海フェリー(敦賀・舞鶴〜小樽・苫小牧):公式の確認書では、ウィズペットルームは室内で飼われている20kg以下のペット(複数なら合計)が条件で、トイレのしつけができ、無駄吠えをしないことなどが求められます(公式PDF:利用確認書)
- 東京九州フェリー(横須賀〜新門司):「ステートウィズペット」の客室があると紹介されています。条件と料金は、公式サイトで確認してください
北欧:バルト海のフェリー(ヴァイキングラインやタリンクなど)に、ペットと同室の客室があると紹介されています(参考:Cruise Critic)。国をまたぐので、犬の入国の条件は事前に確認が必要です。
ノルウェーのハリティグルーテン:ノルウェーの西海岸を毎日往復する沿岸の定期船です。船内にはレストランやラウンジがあり、クルーズに近い体験もできますが、区間だけ乗ったり、車を載せたりもできるので、実態はフェリーに近い船です。公式のFAQによると、犬は「ポート・トゥ・ポート」(区間乗り)で、飼い主と一緒に客室かカーデッキで過ごせます。共用部分や外のデッキには出られず、船内に犬のトイレはありません。散歩は寄港中だけです。ペット対応の客室がない船もあります(ハリティグルーテン公式)。同じノルウェーのハビラは、補助犬以外はほぼ不可です(公式FAQ)。
海外ではこんな記事も
海外では、犬と同じ客室で過ごせる新しいクルーズの計画も報じられています。まだ実績が少ない段階なので、「こんな動きがあるらしい」くらいに読んでください。
- Fabled Voyages:長期滞在型(居住型)のクルーズ。約18kgまでの犬と、約9kgまでの猫を客室に連れて入れる計画で、獣医の確認が条件とされています。2026年3月30日に予約金の受け付けが始まったと報じられましたが、就航はこれからです(Fox News)
- Cruise Tails:犬と飼い主のためのチャーター(貸し切り)クルーズを企画している会社。250頭の犬を乗せる航海が予定されましたが、運航できたかどうかは、記事によって食い違っています(Travelnuity)
犬と船に乗る前に
- 乗れるかどうか、より先に、犬の大きさや体重の制限を確認する(フェリーは20kg以下などの条件がある)
- 書類を確認する。国内は狂犬病ワクチンの接種証明、海外はペットパスポートや健康証明書など
- 客室の外では、キャリー・カート・ケージを使うことが多い。歩かせられる場所は、ドッグランや寄港中の陸上に限られる
- 人気の船は早く埋まる。ケンネルもウィズペットルームも、早めに予約する
- 料金は運賃とは別になることが多い
出発前のチェックリスト
- 犬の大きさ・体重が、その船の条件に合っているか確認した
- 必要な書類(ワクチン証明など)を確認した
- 客室の外での移動方法(キャリー・カート)を確認した
- 料金が運賃とは別かどうか確認した
- 予約の時期を確認した(早めに埋まる)
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